
合唱団「萩」規約
2022年3月27日策定
■設立と歴史
合唱団「萩」は、2011年5月20日、ニューヨーク・カーネギーホールで開催予定だった「日米合唱祭」に参加すべく、岡﨑光治先生を指揮者に迎え、東北大男声合唱団OBを核とする混声合唱団として2010年5月に発足した。練習には、仙台、東京、いわきなど各地から団員が参加し、「火の出るような(岡﨑先生談)」練習を仙台と東京で積み重ねた。渡米直前に団員を襲った東日本大震災も、「俺たちが何のために音楽をやっているのかが問われている!」との先生の檄によってその苦しみを乗り越え、「日米合唱祭」改め「みちのく災害支援チャリティコンサート」に参加した私たちは、会場を埋め尽くした2,500人のニューヨーク市民と生涯忘れ得ぬ大きな感動をともにした。
帰国後、私たちは「生きている証しとして歌い続ける合唱団」として活動を続けることを決意した。その後、これまで仙台(2011年、2013年)、いわき(2013年)、東京(2016年、2018年)にて国内コンサートを行ったほか、2014年には支倉常長訪西400周年「日西文化交流プロジェクト」の一環としてスペイン(セビリア市、コリアデルリオ市)を、また2016年にはベルリン・フィルハーモニーホール及びワルシャワ・ショパン音楽院を歴訪、いずれも好評を博してきた。これら一連の活動が認められ、2018年12月にはストックホルムで開催された日本・スウェーデン国交150周年記念コンサートに招かれてスウェーデン放送合唱団と共演を果たし、岡﨑先生の作曲・編曲による合唱曲を披露、現地聴衆に大きな感動を与えた。病床に臥せって渡瑞叶わなかった岡﨑先生は、団員全員の帰国を見届けるかのようにして天に旅立たれたが、私たちは先生の魂をしっかりと受け継ぎ、歌い続けた。翌2019年には、スウェーデン放送合唱団の来日に際して共演の声掛けをいただいて仙台招聘公演を主催し、東北地区の聴衆に世界最高峰の合唱音楽を届けた。
第1章 総 則
(名称及び趣旨)
第1条 当団は合唱団「萩」(以下「当団」という。)と称し、この規約は、当団の組織及び運営に関し必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 当団は、その活動において、岡﨑光治先生の作品を通して東北の魅力を発信するとともに、先生の編曲を通して合唱の美しさと楽しさを追求し、さらに先生の選曲を通して音楽の奥深さを表現することを目的とする。
2 当団は、前項の目的達成に資すると認めるときは、岡﨑先生から薫陶を得た音楽する心をもって、新たな音楽に挑戦する。
(「萩」の原点)
第3条 当団は、日々の練習を含め、常にその時々において我々の成し得る最高の音楽を創り上げることを音楽に取り組む基本姿勢と位置づけ、これをもって<生きていることの証しとしての音楽>すなわち『「萩」の原点』とする。
(活動)
第4条 当団は、これまでの一連の公演で得た交流の輪を今後一層広げて行くため、海外公演を中心としたプロジェクト性の高い活動を行うとともに、これまでの実績に恥じない実力を一層積み上げられるよう平素の研さんに務める。
2 当団の具体的活動は、次の通りとする。
(1)原則として月2回程度の練習を仙台と東京地区とで交互に行うこと。
(2)国内外における演奏会を不定期に開催すること。
(3)その他団の目的に沿った各種の活動を随時行うこと。
第2章 団 員
(団員)
第5条 当団は、岡﨑先生の音楽を心より敬愛し、当団の目指す音楽の完成を目指して可能な限りの努力を惜しまない団員により構成する。
(入団)
第6条 当団に入団しようとする者は、事前の練習見学において団活動の趣旨を理解・共感した上でパートリーダー又は幹事に入団の希望を伝え、その確認が得られたとき団員となる。
(会費)
第7条 団員(常任指揮者及び常任ピアニストを除く。)は、半期毎にその都度定める額の会費を納入しなけれ
ばならない。ただし、練習への参加が寡少であるなどやむを得ない理由があると認められるときは、練習参加の都度スポット練習費を納入することをもって代えることができる。
(退団)
第8条 団員が退団しようとするときは、遅滞なく退団の意思をパートリーダー又は幹事に通知しなければならない。
(休団)
第9条 休団しようとする団員は、あらかじめその意思をパートリーダー又は幹事に伝え、その了承を得るものとする。
2 休団者の休団期間内の会費は、これを徴収しない。
第3章 幹事及び幹事会
(幹事)
第10条 当団に次に掲げる幹事を置く。
(1)団長 1名
(2)運営統括 1名
(3)総務 2名
(4)会計 1名
2 団長は、拡大幹事会の承認を得て、幹事を随時増員することができる。
(幹事の選任及び任期)
第11条 幹事は、現職幹事の推薦による指名を得た団員の中から、拡大幹事会の議決により選任されるものとする。
2 幹事の任期は1年とする。ただし、再任を妨げない。
(幹事の職務)
第12条 団長は、対外的に当団を代表するとともに、常に団員の意見を集約しながら当団の活動を総合的に統
率し、これを推進する。
2 運営統括は、団の運営に関する業務を統括する。
3 総務は、団活動の企画・調整業務及び各種の事務を行う
4 会計は、団の予算、決算業務を行う。
(幹事の解任)
第13条 幹事が次の各号のいずれかに該当するときは、拡大幹事会において、審議の対象となる幹事を除く拡大幹事全員一致の議決をもって、これを解任することができる。
(1)心身の故障により、職務の遂行に堪えられないと認められるとき。
(2)背任行為があったと認められるとき。
(3)その他団の運営に支障をきたす行為があったと認められるとき。
(幹事会)
第14条 幹事会は、幹事をもって構成する。ただし、団長が必要と判断した場合にあっては、幹事でない団員の参加を認めることができる。
2 幹事会は、随時団の運営に必要な事項について審議し、一定の方針を決定する場合は、原則として幹事全員の同意を要するものとする。
第4章 技術系委員会
(設置及び委員)
第15条 当団に、当団における最高の音楽創作機関として技術系委員会を設置する。
2 技術系委員会は、常任指揮者、常任ピアニスト及びパートリーダーより構成するものとし、その委員は拡大幹事会の審議・議決を経て選任する。この場合において、任期は期限の定めのないものとする。
(職務)
第16条 当団における選曲は、技術系委員会の意見を踏まえながら、常任指揮者が協議し、決定する。
2 練習内容は、技術系委員会に一任する。
3 当団の演奏会等において客演指揮者を招聘しようとするときは、技術系委員会においてその必要性及び適当と認める客演指揮者を選任し、拡大幹事会に付議するものとする。
(技術系委員の解任又は辞任)
第17条 技術系委員が心身の故障などにより職務の遂行に重大な支障があると認められるときは、拡大幹事会において、審議の対象となる技術系委員を除く拡大幹事全員一致の議決をもって解任することができる。
2 技術系委員のうち常任指揮者又は常任ピアニストから団長に対し職務の遂行に困難な事情があるため辞任したいとの申し出があったときは、団長はその旨拡大幹事会に報告し、拡大幹事会は当該事情による辞任がやむを得ないと認められるときは、全員一致の議決をもって辞任を受理するものとする。
第5章 拡大幹事会
(設置及び開催)
第18条 当団に、最高の意思決定機関として拡大幹事会を設置する。
2 拡大幹事会は、必要に応じ随時団長が招集し、開催するものとする。
(構成)
第19条 拡大幹事会は、幹事、常任指揮者及び常任ピアニストをもって構成する。
2 団長は、情報共有等必要と判断したときは、随時技術系委員及びその他の団員の参加を認めるものとする。
(審議及び議長)
第20条 拡大幹事会は、当団の運営に関する重要事項について審議する。
2 拡大幹事会の議長は、団長がこれに当たる。
(決議)
第21条 拡大幹事会の審議において一定の方針を決定する必要があると認められるときは、この規約に別に定める場合を除き、賛成多数の議決をもって決するものとする。
第6章 情報の共有及び開示
(情報の共有)
第22条 団長は、常時団員の意見を吸い上げるとともに、幹事会及び拡大幹事会の開催状況並びに審議内容等当団の運営状況を常に団員に周知するなど情報の共有に努めるものとする。
(情報開示)
第23条 団員は、団の運営に関し随時必要な情報の開示を求めることができる。
2 団長は、団員から前項の開示請求があったときは、遅滞なく必要な情報を団員全員に開示しなければならない。
第7章 会 計
(資産)
第24条 当団の資産は、次の各号に掲げるものをもって構成する。
(1)団費
(2)寄付金
(3)その他の収入
(会計報告)
第25条 幹事(会計)は、半期毎に会計報告書を作成し、これを団員に報告しなければならない。
(会計年度)
第26条 当団の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとする。
第8章 その他
(解散)
第27条 当団は、次に掲げる事由によって解散する。
(1)拡大幹事会の決議
(2)団員の欠亡
(3)合併
2 拡大幹事会の決議により解散する場合は、拡大幹事全員の賛成を得なければならない。
(委任)
第28条 この規約に定めのない事項は、拡大幹事会の議決を経て、団長が別に定める。
(変更)
第29条 この規約を変更しようとするときは、拡大幹事会において、拡大幹事全員の賛成を得なければならな
い。
附 則
この規約は、2022年4月1日から施行する。
合唱団「萩」規約留意事項
1 制定の経緯
合唱団「萩」は、2011年5月にニューヨーク・カーネギーホールで開催予定だった日米合唱祭に参加するために結成された合唱団である。様々な困難を乗り越えて渡米し、帰国した後も「生きている証しとして歌い続ける合唱団」として活動を継続することとし、これまで国内でのコンサートに加え、スペイン、ドイツ、ポーランド、スウェーデン等海外を含めたコンサート活動を継続してきたが、基本的にコンサート等の都度参加者を確定するプロジェクト合唱団としての性格は設立当初から大きく変わるところはない。
このことは、メンバーを弾力的に構成するという利点を持つ半面、メンバーが定まらない(不安定)といった側面があったことも否定できない。一方、団の運営、選曲等音楽全体にわたっても、岡﨑先生がお元気なうちは先生の鶴の一声で全てが決まるため、理屈抜きでそれに従って活動することで済んできた。しかし、岡﨑先生という偉大な支柱を失った後、残された幹事、指揮者、パートリーダーによる集団の合意でここまで活動を継続してきたものの、ここへ来て音楽づくりはもとより、運営の基本原則を明確にする必要性が徐々に表面化してきた。
こうしたことを踏まえ、今般合唱団設立の由来や、よって立つ基本原則を明らかにするとともに、音楽づくりの体制、団運営の基本ルールを明確にし、さらには団員の幅広い意見を運営に反映するための手続きを明確にすることを目的として、新たに合唱団「萩」規約を制定することとし、幹事、指揮者、ピアニスト及びパートリーダー等がオンラインによる会議を重ねてきた。今回披露するのはその成果であり、本年4月1日より施行することとしたい。
2 逐条説明
■設立と歴史(前文)
合唱団「萩」の成立ちと主要な活動の経緯を再確認するとともに、岡﨑先生の精神を受け継ぎながら活動を継続することの意義を明らかにした。
■第1章 総則
第1条(名称及び趣旨)
第2条(目的)
・活動の基本的な目的として、岡﨑先生の①作品(作曲)②編曲③選曲を通じて、岡﨑音楽の表現に取り組むことを明確にした。
・新たな音楽への挑戦
「萩」は岡﨑先生の音楽世界にのみとどまることなく、岡﨑音楽の原点を踏まえつつ、
新たな音楽にも挑戦することを明らかにした。
第3条(「萩」の原点)
合唱団「萩」が音楽に取り組む基本姿勢を明らかにしたもの。<生きている証し>と
いう表現はこの規約には何度か登場するが、改めてこのことを「萩」の原点とした。
第4条(活動)
「萩」の基本的性格であるプロジェクト性の高い活動を踏まえつつ、日常の練習、演奏会
等の活動を明示した。
■第2章 団員
第5条(団員)
岡﨑音楽を踏まえつつ常に高い音楽性を求める団員像を明確にした。
第6条(入団)
これまで必ずしも明確でなかった入団手続きを定めた。団員としての資質が確認され
ることにより団員となる。敢えて「入団許可」といった教条的な手続き、文言を避けた。
第7条(会費)
・会費は半期ごとの納入とするが、その額は活動の内容に応じてその都度決定する。
・常任指揮者及び常任ピアニストについては、納入義務の対象となる団員から除外する。
・寡少参加者に対するスポット練習費を明確にし、これを制度化した。
第8条(退団)第9条(休団)
従来明確でなかったことから明示の規定を置いた。「萩」は、プロジェクト合唱団とし
ての性格上団員が中々固定しないところがあるが、今回休団の制度を設けることにより、
できる限り団との「絆」を持続させるよう配慮した。
■第3章 幹事及び幹事会
第10条(幹事)
従来曖昧だった幹事の役職及び員数を明確にした。運営統括は、これまでの実態を踏ま
え初めてその役職を設けたもの。
第11条(幹事の選任及び任期)
現在の幹事は、基本的に岡﨑先生の任命によるものであり、今般改めて選任手続き及び
任期を規定した。拡大幹事会については次章参照。
第12条(幹事の職務)
幹事の職務を明確にした。
第13条(幹事の解任)
幹事の解任についての手続き及び解任理由を明確にした。なお、解任は全一致(本人を
除く)とした。
なお、心身の故障等の理由により自発的な辞任は当然に可能であることから敢えて規
定していない。
第14条(幹事会)
幹事会の構成及び運営に関する規定である。団としての一致結束した活動を前提にしていることから、意思決定は原則として幹事全員の同意を要するものとした。
■第4章 技術系委員会
第15条(設置及び委員)
現在の「萩」は集団的指導体制を取っているが、そのうちの音楽面での最高機関として
新たに設置するもの。委員として、指揮者及びピアニストについては「常任」であること
を明確にし、パートリーダーを含めた委員の選任は拡大幹事会による。なお、任期は設け
ていない。
第16条(職務)
職務は、大きく分けて①選曲②練習③客演指揮者の招聘に分かれる。なお、客演指揮者
の招聘は一定の費用を必要とすることから、その決定は拡大幹事会の議を経ることとし
た。
第17条(技術系委員の解任及び辞任)
・解任については、拡大幹事会の議決事項とし、その議決は全員一致(本人を除く)と
した。
・常任指揮者及び常任ピアニストについては、本人からの自発的な辞任についてその手
続きを設けた。これは常任指揮者、常任ピアニストは団にとってその根幹をなす存在で
あることから、例え個人的な理由による辞任であっても団全体が了知する必要がある
と考えたことによる。
なお、パートリーダーについては、幹事同様自発的な辞任は何時にても可能である。
■第5章 拡大幹事会
第18条(設置及び開催)第19条(構成)
一般の団体であれば最高の意思決定機関として、団体の全ての構成員による「総会」が
設置されるが、合唱団「萩」は、そのプロジェクト性から基礎的構成員である団員を固定
することが困難であることは既に述べた通りである。一方で、重要な決定に当たって「団
員」の幅広い意見を反映することの重要性は敢えていうまでもない。
このため今回の検討に当たって、新たに幹事並びに常任指揮者及び常任ピアニストを
構成員とする組織を設置し、これをもって最高の意思決定機関とした。なお、案件によっ
ては、一般の団員が参加できるようその機会を確保した。
第20条(審議及び議長)
拡大幹事会の審議が団の運営に関する重要事項であることを明記した。
第21条(決議)
決議要件は、会議等への出席の有無を問わず構成員の多数決である。すなわち、定足数
の定めを置いていない。)。
■第6章 情報の共有及び開示
第22条(情報の共有)第23条(情報開示)
団員の意見をいかに幅広く集約し、これを団の運営に反映させるかは、今回最も意を用いた一つである。このため、日常的な様々な情報を団員に提供し、常に団員全体のコンセンサスを確保することに努めるとともに、団員から情報の提供を求められたときには、遅滞なくこれに応じることを明示した。敢えて「情報開示」という一般の社会で使われる固い表現を用いているが、これはできるだけキチンとした処理を心がけるよう意図した表れである。
■第7章 会計
第24条(資産)第25条(会計報告)第26条(会計年度)
いずれも団員から預かる貴重な会費の使途を明確にするための規定である。
■第8章 その他
第27条(解散)
解散事由を列記したほか、解散の手続きについても拡大幹事会の全員の賛成を要す
るものとした。
第28条(委任)第29条(変更)
いずれも規約上明確にして置く事項を定めた。